ヘッドバー(プレート定着型せん断補強鉄筋)製造販売

ヘッドバーとは

複雑な鉄筋の組立作業を確実に、簡単に、早く を可能にしました。

建築分野では安全性に加えて、さらなる効率化やコストダウンが求められています。

Head-bar(ヘッドバー)とは、異形鉄筋の先端にプレートを摩擦圧接で接合したものです。プレートの形状は一般的に、せん断補強工法用では矩形・小径円形、定着工法用では円形です。

ヘッドバーは摩擦接合の技術を用いた高い性能によって建築物の耐震性を確保し、配筋作業をシンプルでスピーディーにします。
これまで「せん断補強」において培ってきたヘッドバーの豊富な実績と技術力を生かして、「定着工法」でも大きく貢献します。

ヘッドバー開発の背景

阪神大震災の教訓から構造物の耐震性能を高めるために、土木分野では従来の直角フックに代わって両端に鋭角 または半円形フックを持つせん断補強鉄筋を使用することが標準となりました。ところが、このようなせん断補強 鉄筋を配筋するには、主筋と配力筋、さらにせん断補強鉄筋を複雑な順序で組立てる必要があり、施工能率が低下 するばかりか、機械式継手を必要とする場合もあり、コストアップが重大な問題となります。 そこで、定着をプレートを用い確実に行い、施工性と耐震性能の向上を同時に実現した工法が、プレート定着型 せん断補強鉄筋[Head-bar]です。

ヘッドバーの特長

プレート定着型せん断補強鉄筋は、半円形フックと同等以上の定着性能があります(付着定着から支圧定着へ)。
施工性は、両端半円形フックでは施工困難な場所に、迅速な施工 が可能になり、配筋作業が単純化かつ省力化されます。

定着されたプレートがしっかり主鉄筋を拘束する為、主鉄筋の座屈を抑止する効果及び、部材のじん性が破壊までの挙動を含めて、半円形フック鉄筋と同等です。
また、コアコンクリートの拘束効果も向上します。(横拘束鉄筋として使用可能)
※円形プレート型はせん断補強効果のみに適用

ヘッドバーの用途

鉄筋コンクリートの床、壁、頂版等の高密な配筋箇所における、 せん断補強鉄筋、中間帯鉄筋、橋脚主筋の端部定着に適しています。

・土木構造物
地下駅舎、地下駐車場、地下タンク、調整池、浄水槽
開削ボックスカルバート(道路、鉄道)、立坑側壁
トンネル二次覆工、橋台、橋脚、深礎杭、フーチング
アーチリブ、構造物の隅角部やハンチ部等

・建築構造物
基礎版、地下壁、擁壁等

ヘッドバーの製作

摩擦圧接による製作

ヘッドバーは、摩擦圧接工法(JIS Z3607)によりプレートと鉄筋を接合しているため、完全に一体化されています。

摩擦接合の原理

①定着板を回転すると同時に、 鉄筋を摩擦圧力P1で押しつける。
②摩擦熱が発生し、高温層が形成される。
③高温で流動化した初期接触層が、遠心力でバリとなり周囲に排出される。
④高温の素材で新たな清浄界面同士の接触が行われる。
⑤回転を急停止させ、アプセット圧力P2を付加して数秒間保持する。

ヘッドバーの形状、寸法

定着は、同径の半円形フックとした場合と比較して、非常にコンパクトです。(下図は土木仕様の曲げフック寸法)

a:(掛けられる鉄筋の径+両節高さ) ×3/4+バリ量10mm
b:(鉄筋径+両節高さ)/2 c :プレート短辺長/2
プレート寸法と鉄筋径の関係

矩形プレートの寸法(SD345、SD295 適用)

せん断補強鉄筋呼び径D13D16D19D22D25D29D32D35D38D41D51
標準プレート適応範囲D13~
D38
D13~
D35
D13~
D41
D13~
D38
D13~
D41
D13~
D38
D13~
D32
プレート
寸法
標準
プレート
寸法
厚さ99121616191922252532
短辺40404550606570808595120
長辺70708080909090
プレート
寸法
長辺70-8070-8580-8580-9090-10090-10590-10580-11585-12090-125110-145
掛けられる鉄筋の呼び径D13長辺70708080909090809095110
D16長辺70708080909090859095115
D19長辺707080809090908590100115
D22長辺707080809090909095100120
D25長辺707080809090909595105120
D29長辺7070808090909095100105125
D32長辺70708080909090100100110125
D35長辺70708080909095100105110130
D38長辺70758080909095105105115130
D41長辺757580859095100105110115135
D51長辺80858590100105105115120125140

※プレート長辺長をせん断補強鉄筋と掛けられる鉄筋の呼び径から決定
※鉄筋材質が SD345、SD295 以外、プレート材質が SM490 以外、コンクリート強度が 30N/mm²以上の場合、審査証明の詳細に従う。

せん断補強効果のみを期待して配置する場合の円形プレートの寸法

呼び名 D13D16D19D22D25D29D32D35D38D41D51プレート材質
鉄筋の
種類
SD34599121616191922252532S35C,S45C
SD3901212161919222225323238S35C,S45C
最小径324050556075809095105130 

※呼び名のランク差は鉄筋直径の大きさの差異であり、例えば Head-bar が D16 の場合、掛けられる鉄筋は D16-D25 以内。

横拘束効果を期待して重ね継手部に適用する場合の「Head-bar」のプレート寸法(SD345、SD295 適用)(単位:mm)

せん断補強鉄筋呼び径D13D16D19D22D25D29D32D35D38D41D51
標準プレート適応範囲D13~
D16
D13~
D16
D13~
D19
D13~
D16
D13~
D16
D13~
D16
D13
プレート
寸法
標準
プレート
寸法
厚さ99121616191922252532
短辺40404550606570808595120
長辺70708080909090
プレート
寸法
長辺70-10570-11080-11580-12090-12590-13090-13595-140100-140105-150125-170
掛けられる鉄筋の呼び径

D13ラップ部

長辺707080809090909095105125
D16ラップ部長辺7070808090909095100115130
D19ラップ部長辺758080859590100100110120140
D22ラップ部長辺8085909010090105110115125145
D25ラップ部長辺90909510010590110115120130150
D29ラップ部長辺959510010511590115120130140155
D32ラップ部長辺10010511011012090125130135145165
D35ラップ部長辺10511011512012590130135140150170

※重ね継手部には片方の鉄筋径に加え他方の鉄筋径の4分の3以上にプレートがかかるように長辺を設定。
※鉄筋材質が SD295、SD345 以外の場合、審査証明の詳細に従う。

「Head-bar」の適用範囲(せん断補強鉄筋または中間帯鉄筋)

呼び名 D13D16D19D22D25D29D32D35D38D41D51プレート材質
鉄筋の
種類
SD295 SM490,S35C,S45C
SD345SM490,S35C,S45C
SD390SM490,S45C
SD490    SM490,S45C

○:適用可、疲労部材への適用は SD345 の D13 〜 D19 に限る。

「Head-bar」の適用範囲(軸方向鉄筋)

呼び名 D13D16D19D22D25D29D32D35D38D41D51
鉄筋の
種類
SD295 S35C,S45C
SD345    S35C,S45C
SD390    S35C,S45C
SD490        S35C,S45C

○:適用可

施工状況写真

性能確認実験

1. 摩擦圧接部の機械的性質

プレートと鉄筋の接合部の機械的性質は、鉄筋の規格引張強度以上というHead-barの仕様に対して十分な強度を 有していることが確認されました。

引張試験(母材破断確認)

0%の傾き
10%の傾き

2. プレートの定着性能

(1)引き抜き試験

Head-barに引張荷重が作用した場合に、十分な定着性能を有す ることが確認されました。 半円形フック定着は付着による定着ですが、Head-barは支圧力 による定着です。

(2)梁部材のせん断実験

技術の適用範囲

(1)せん断補強鉄筋または中間帯鉄筋
コンクリート構造物のはり、柱のような棒部材、
壁、スラブのひょうな面部材に用いるせん断補強
鉄筋や中間帯鉄筋に使用する。

(2)軸方向鉄筋
杭・柱および橋脚等の軸方向のフーチング等のよ うにマッシブなコンクリートへの定着に用いる。 ※軸方向鉄筋として用いる場合は円形プレートになります。

3. 主鉄筋の座屈抑止性能

【梁部材の曲げ実験】
プレートでしっかり主鉄筋を拘束する為座屈抑止効果にすぐれています。

4. 壁部材のじん性能

比較実験により、破壊までの挙動を含めて、 半円形フック鉄筋と比較して同等であることが確認されています。

(1)鉄筋・定着継手指針2007の検証

交番載荷実験【10δy(主鉄筋降伏時の10倍)変形時】

Head-barの場合

コアコンクリートの損傷や主鉄筋の座屈程度が軽微で、かぶりコンクリートのはく落が少ない。

半円形フックの場合

かぶりコンクリートのはく落が大きい。

(2)道路橋示方書 V 耐震設計編6.2.5の検証

Head-barをせん断補強筋に適用した場合の耐震性能としては、とりわけ軸方向鉄筋の座屈抑止による変形 性能の確保が重要となります。したがってここではHead-barの施工実績が多い配筋条件のうち、軸方向鉄 筋座屈時のはらみ出しに伴う外向きの力が大きくなると思われる軸方向鉄筋の大きい領域で、せん断補強鉄 筋比(Case H=1.8%、Case L=1.1%)の比較的大きい条件と小さい条件の両者で実験を実施しました。

【試験体の形状寸法および配筋】

① せん断補強鉄筋比 H=1.8% Case-H

高せん断補強鉄筋比試験体
(せん断補強鉄筋比1.8%)

②せん断補強鉄筋比 L=1.1% Case-L

低せん断補強鉄筋比試験体
(せん断補強鉄筋比1.1%)

【荷重包絡線 – 高せん断補強鉄筋比試験体】

3サイクル目

【荷重包絡線 – 低せん断補強鉄筋比試験体】

3サイクル目

【交番載荷実験 異なるせん断補強鉄筋比(Case-H 1.8% Case-L 1.1%)の変形時】

Case-H 半円形フック試験体
Case-L 半円形フック試験体
Case-H Head-bar試験体
Case-L Head-bar試験体

せん断補強鉄筋の疲労性能

定着具の疲労性能試験により、Head-barの高サイ クル繰返し荷重に対する疲労性能は半円形フック 鉄筋と同等であることが確認されました。 適用:SD345 D13~D19

建築構造評定

せん断補強工法用Head-bar(ヘッドバー)として、「プレート定着型せん断補強鉄筋『Head-bar』設計・施工指 針」という形で建築分野の構造評定を取得しましたが、この度評定を更新(UHEC-26002)しました。建築物の 面部材(耐圧版、スラブ、壁)の面外せん断補強鉄筋としての適用が認められています。
Head-barを用いた面部材の許容せん断力は、日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」(2010年) の「15条、梁・柱および柱梁接合部のせん断に対する算定 2. の(1)(3)」に準じた設計式により定めています。

(1)実験値(Head-bar 試験体)と解析値のせん断力一層間変形の比較

(2)実験結果、FEM 解析および提案式による短期許容せん断力の比較

実験結果及び非線形有限要素法(FEM)解析を用いて、せん断補強筋比(Pw)が0.2~1.2%の範囲で設計式によ る許容せん断力が十分安全側であることを確認しています。

(3)許容せん断力

技術評定・審査等

・ヘッドバー

年月 内容 機関
1999.9 土木系材料技術・技術審査証明取得 財団法人 土木研究センター
2001.3 PR対象工法に認定 鉄道ACT研究会
2002.3 コンクリート標準示方書「構造性能照査編」2002年版 改訂資料に掲載 土木学会
2002.3 NETIS登録 国土交通省
2002.9 鉄道構造物への適用に関する性能評価及び技術指導 財団法人 鉄道総合技術研究所
2004.8 新材料・新工法調査表に登録 東京都建設局
2004.9 建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術)として更新 財団法人 土木研究センター
2011.7 設計比較対象技術(2011.7.19~2014.2.14)に位置づけ 登録No. KT-010207-A 国土交通省
2012.8 建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術・道路保全技術)内容変更 一般財団法人 土木研究センター
2014.2 平成26年度活用促進技術に位置づけ 登録No. KT-010207-VR 国土交通省
2014.9 建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術・道路保全技術)更新 一般財団法人 土木研究センター
2015.11 建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術・道路保全技術)内容変更 一般財団法人 土木研究センター
2019.6 >建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)内容変更 一般財団法人 土木研究センター
2019.9 建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)更新 一般財団法人 土木研究センター

・ヘッドバー建築構造評定

2006.11 プレート定着型せん断補強鉄筋「Head-bar」設計・施工指針として取得 ㈱都市居住評価センタ~
2014.10 (改定1) ~日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に準拠し、従来の 180度フック付せん断補強鉄筋と同等以上の性能を有するものと評価する~

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